ペーパーレス化の進め方とは?紙の書類に伴う手作業を減らす方法を解説
2026/10/21
■ はじめに
企業では、請求書や注文書、申込書、報告書など、さまざまな書類を紙で扱う業務が残っています。紙の書類は、印刷や配布、保管に手間がかかるだけでなく、記載された情報をシステムへ入力・転記する作業も発生します。
こうした業務の負担を軽減する方法の一つが、ペーパーレス化です。ただし、紙の書類を電子化するだけでは、情報の入力や確認といった手作業が残る場合もあります。
そのため、ペーパーレス化を進める際は、単に紙をなくすことを目的にするのではなく、書類を扱う業務全体を見直し、どの作業を効率化できるかを考えることが重要です。
本記事では、ペーパーレス化の基本や進め方、紙の書類に伴う手作業を減らす方法について解説します。
■ ペーパーレス化とは?紙の書類を電子化する目的
ペーパーレス化とは、紙で作成・保管・共有していた書類を電子データに置き換え、紙の使用や書類に伴う業務を減らす取り組みです。
例えば、紙で配布していた資料を電子ファイルで共有する、申請書の提出や承認をシステム上で完結させる、といった方法があります。
ペーパーレス化の目的は、紙の使用量を減らすことだけではありません。書類の作成・共有・保管にかかる手間を減らし、業務全体の効率化につなげることも重要です。
● 紙の書類を使う業務で発生する課題
紙の書類を中心とした業務では、次のような課題が発生しやすくなります。
- 印刷・配布の手間: 書類の印刷や仕分け、関係者への配布に時間がかかる
- 保管・検索の負担: 書類の整理や保管場所の確保が必要で、必要な情報を探すのにも手間がかかる
- 情報の入力・転記: 紙に記載された内容をシステムや表計算ソフトなどへ手作業で入力する必要がある
- 確認・承認の遅れ: 書類を担当者へ回覧する場合、確認や承認に時間がかかる
こうした課題は、書類の電子化や業務フローの見直しによって改善できる可能性があります。ただし、書類を電子データに置き換えるだけで解決できるとは限りません。業務のどこに負担が生じているのかを把握し、課題に合った方法を選ぶことが大切です。
■ ペーパーレス化の進め方|5つのステップ
ペーパーレス化を効果的に進めるには、最初からすべての書類を電子化するのではなく、現状の業務を把握し、優先順位をつけて取り組むことが重要です。
❶ 紙を使っている業務を洗い出す
まずは、社内で紙の書類を使用している業務を洗い出します。
例えば、請求書や注文書の処理、申請・承認、点検報告書の作成、契約関連書類の保管などが挙げられます。
その際、書類の種類だけでなく、作成から保管までの流れや、担当者が行っている作業も確認しましょう。紙の書類を扱う業務の中には、印刷や保管だけでなく、内容の確認や情報の転記に多くの時間がかかっているものもあります。
❷ 目的と優先順位を決める
洗い出した業務の中から、特に改善したいものを選びます。
優先順位を決める際は、次のような観点で整理するとよいでしょう。
- 作業にかかる時間や工数が大きいか
- 処理件数が多く、繰り返し発生する業務か
- 入力ミスや確認漏れなどが発生しやすいか
- 電子化によって改善できる見込みがあるか
例えば、毎日大量の書類を処理している業務と、年に数回しか発生しない業務では、改善による効果が異なります。負担が大きく、改善効果を確認しやすい業務から着手することで、取り組みを進めやすくなります。
❸ 紙をなくせる業務と、紙が残る業務を分ける
次に、対象業務を紙そのものをなくせるものと、紙の使用が引き続き必要なものに分けます。
例えば、社内申請や資料共有は、電子申請システムやクラウドストレージの活用によって、紙を使わずに完結できる場合があります。
一方、取引先から紙の注文書が届く業務や、現場で紙の点検表を記入する業務などは、すぐに紙をなくすことが難しい場合もあります。
このような業務では、紙を完全になくすことだけにこだわらず、書類を受け取った後の入力・転記など、負担の大きい作業を減らすことも検討しましょう。
❹ 課題に合った電子化・効率化の方法を選ぶ
業務の現状と改善したいポイントが明確になったら、それぞれの課題に合った方法を検討します。
例えば、書類の申請・承認に時間がかかっている場合は電子申請システム、書類の保管や検索に課題がある場合は文書管理システムが選択肢になります。
また、紙やPDFに記載された情報をシステムへ入力する作業が負担になっている場合は、AI-OCRなどを活用してデータ入力を効率化する方法もあります。
重要なのは、ツールの導入自体を目的にせず、解決したい課題に対して適切な手段を選ぶことです。
❺ 運用ルールを整備し、効果を検証する
電子化の方法を決めたら、実際の業務で運用できるようにルールを整備します。
例えば、電子データの保存場所やファイル名の付け方、閲覧権限、承認手順などを決めておくと、導入後の混乱を防ぎやすくなります。
また、取り組みの前後で作業時間や入力ミスの件数、書類の処理件数などを比較し、効果を確認することも大切です。
導入して終わりにするのではなく、運用状況を確認しながら改善を続けることで、ペーパーレス化を継続的な業務効率化につなげられます。
■ 紙の書類に伴う手作業を減らす3つの方法
ペーパーレス化を進める際は、紙の書類を電子データに置き換えるだけでなく、その後に発生する作業にも目を向けることが重要です。
例えば、書類の共有や保管を電子化しても、記載された情報を別のシステムへ入力する作業が残っていれば、業務負担を十分に減らせない場合があります。
ここでは、紙の書類に伴う手作業を減らすための主な方法を3つ紹介します。
● 電子申請・ワークフローシステムを活用する
社内申請や承認のために紙の書類を使用している場合は、電子申請システムやワークフローシステムの活用が有効です。
申請から承認までをシステム上で完結できれば、書類の印刷や配布、回覧にかかる手間を削減できます。また、申請状況を確認しやすくなるため、承認の進捗管理にも役立ちます。
ただし、取引先から届く注文書や、現場で記入する点検表など、紙の書類を完全になくすことが難しい業務には、別の方法も検討する必要があります。
● スキャナーや文書管理システムで書類を電子化する
紙の書類を保管・検索する負担が大きい場合は、スキャナーなどで書類を電子化し、文書管理システムで管理する方法があります。

書類を電子データとして保存することで、保管スペースを削減できるほか、必要な書類を検索しやすくなります。部署間での情報共有もスムーズに進めやすくなります。
一方、書類を画像やPDFとして保存するだけでは、記載された文字情報をそのまま業務システムで利用できるとは限りません。
例えば、請求書のPDFを保存しても、金額や取引先名などを会計システムへ入力する作業が別途必要になる場合があります。保管だけでなく、書類の内容を活用する工程にも課題がある場合は、追加の対策を検討しましょう。
● AI-OCRで書類の情報入力を効率化する
紙の書類やPDFに記載された情報を、システムなどへ手作業で入力・転記している場合は、AI-OCRの活用が選択肢になります。
AI-OCRは、画像やPDFに含まれる文字を認識し、データとして取り出す技術です。例えば、請求書や注文書に記載された取引先名、日付、金額などをデータ化することで、手入力の負担軽減につなげられます。
電子化した書類を目視で確認しながら入力している業務でも、AI-OCRを活用することで、入力作業の一部を効率化できる可能性があります。
ただし、AI-OCRを導入すれば、すべての入力作業が自動化されるわけではありません。読み取り結果の確認や修正が必要になる場合もあるため、書類の種類や処理件数、既存システムとの連携方法などを踏まえて検討することが大切です。
AI-OCRの仕組みや導入時の比較ポイントについて詳しく知りたい方は、関連する解説記事も参考にしてください。
■ AI-OCRを活用した業務効率化なら「AIRO」
紙やPDFの書類に記載された情報を手作業で入力・転記している場合は、AI-OCRを活用することで、データ入力業務の効率化を目指せます。
AI-OCRサービスを選ぶ際は、文字を読み取る機能だけでなく、データ化した情報をその後の業務でどのように活用できるかも重要なポイントです。
GENECHが提供する「AIRO」は、AI-OCRによる書類のデータ化に加え、AI検索機能を備えたサービスです。紙やPDFの情報をデータ化するだけでなく、蓄積した文書情報の検索・活用まで見据えて、業務の効率化を検討できます。

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