AI-OCRとAPI連携で何ができる?CSV・業務システムとの連携方法を解説
FAX業務をAI-OCRで効率化|入力・転記作業を自動化する方法
2026/8/7
■ はじめに
企業間の受発注業務では、現在でもFAXが利用されているケースがあります。取引先からFAXで注文書や発注書などが届いた後、担当者が内容を確認し、業務システムへ手入力している企業も少なくありません。
しかし、FAXで届いた書類を一枚ずつ確認して入力する作業は、担当者の負担になるだけでなく、入力ミスや転記漏れなどのリスクにもつながります。さらに、過去に届いたFAXの内容を確認したい場合、紙や画像データを一枚ずつ探す必要があり、情報の検索にも時間がかかります。
こうしたFAX業務の効率化に活用できるのが「AI-OCR」です。
AI-OCRを利用すれば、FAXで届いた書類の文字や項目を読み取り、データとして取り出すことができます。手入力や転記作業の負担を減らせるだけでなく、データ化した情報をCSVなどに出力し、その後の業務に活用することも可能です。
本記事では、FAX業務で発生しやすい課題から、AI-OCRを使ってFAXをデータ化する仕組みやメリットまで、わかりやすく解説します。
■ FAX業務で発生する3つの課題
FAXは、取引先との受発注や各種申請など、さまざまな業務で利用されています。一方で、FAXで届いた情報をそのまま業務に活用するには、担当者による確認や入力作業が必要になるケースがあります。
ここでは、FAX業務で発生しやすい代表的な3つの課題を紹介します。
● FAXの内容を目視で確認する必要がある
FAXで届いた注文書や申込書などを処理する場合、まず担当者が書類の内容を目視で確認する必要があります。
FAXで届く書類は、取引先によってフォーマットが異なることもあり、必要な情報を探しながら確認する作業が発生します。
また、1日に届くFAXの枚数が多い企業では、書類の確認だけでも多くの時間がかかります。
特に、注文番号や商品名、数量、金額、納期など、複数の項目を確認する必要がある場合は、担当者の業務負担が大きくなりやすいでしょう。
● FAXの内容をシステムへ手入力している
FAXで届いた情報は、そのままでは業務データとして扱いにくいため、販売管理システム、基幹システムなどへ入力するケースがあります。
例えば、FAXで注文書を受け取った場合、
FAX受信 → 内容確認 → システムへ手入力 → 入力内容を確認
という作業が必要になります。
FAXの枚数が少なければ大きな負担にならない場合もありますが、日々大量のFAXを処理している企業では、入力作業に多くの時間を取られてしまいます。
また、同じ内容を複数のシステムへ入力する場合は、二重入力や転記作業が発生し、さらに業務負担が増えてしまいます。
● 入力・転記時のミスや確認漏れが発生する
FAXの内容を人が確認して手入力する場合、入力ミスや転記漏れが発生する可能性があります。
例えば、
- 商品コードを間違えて入力する
- 数量を誤って入力する
- 金額を入力し間違える
- 入力すべき項目を見落とす
- FAXの処理自体を後回しにしてしまう
といったミスが考えられます。
受発注業務では、こうした入力ミスがその後の発注・出荷・請求などの業務にも影響する可能性があります。
そのため、FAXを受け取った後の「確認・入力・転記」という作業そのものを効率化することが重要です。
■ AI-OCRを使えばFAXをデータ化できる
FAX業務の入力・転記作業を効率化する方法の一つが、AI-OCRの活用です。
AI-OCRとは、OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)にAI技術を組み合わせ、画像やPDFなどに含まれる文字を認識してデータ化する技術です。

従来のOCRと比べて、AI-OCRは文字の形や周辺情報などを考慮して文字を認識できるため、さまざまな帳票のデータ化に活用されています。
FAXで届いた書類も、画像やPDFなどのデータとして取り込めれば、AI-OCRによって記載されている文字や項目を読み取り、データ化することが可能です。
● FAXをAI-OCRでデータ化する仕組み
FAXをAI-OCRでデータ化する場合、基本的には次のような流れになります。
FAX受信
↓
FAXを画像・PDFなどのデータとして取り込む
↓
AI-OCRで文字・項目を読み取る
↓
読み取り結果をデータ化
↓
CSV・業務システムなどで活用
例えば、FAXで届いた注文書から「注文番号」「商品名」「数量」「納期」などの情報をAI-OCRで読み取り、必要な項目をデータ化します。
これまで担当者がFAXを見ながら手入力していた作業をAI-OCRに任せることで、入力・転記にかかる時間を削減できます。
ただし、AI-OCRによる読み取り後は、認識結果に誤りがないか確認することも重要です。
FAXの画質や文字の状態、帳票のレイアウトなどによって認識精度が変わる場合があるため、必要に応じて読み取り結果を確認・修正してから業務に利用します。
● FAXの注文書・申込書・帳票などをデータ化できる
AI-OCRでデータ化できるFAXは、注文書だけではありません。
例えば、FAXで届く注文書・発注書・申込書など、各種帳票にも活用可能です。
FAXで届く書類の種類やフォーマットは企業によって異なります。そのため、AI-OCRを導入する際には、自社で扱っている書類を実際に読み取れるか確認することが重要です。
特に、複数の取引先から異なるフォーマットのFAXが届く場合は、さまざまなレイアウトに対応できるAI-OCRを選ぶことがポイントになります。
■ AI-OCRでFAXをデータ化するメリット
FAXをAI-OCRでデータ化することで、単に文字をデータへ変換できるだけでなく、FAXを受信した後の業務全体を効率化できます。
ここでは、FAX業務にAI-OCRを導入する主なメリットを紹介します。
● FAXの内容を手入力する時間を削減できる
AI-OCRを利用すれば、FAXに記載された文字や項目を自動で読み取り、データ化できます。
これまで担当者がFAXを確認しながら一項目ずつ入力していた場合、AI-OCRによって入力作業の一部を自動化できます。
例えば、1枚の注文書から複数の項目を入力する必要がある場合でも、AI-OCRで必要な情報を読み取ってデータ化すれば、担当者は読み取り結果の確認や修正など、より重要な業務に時間を使えるようになります。
● 転記ミスを防ぎやすくなる
FAXの内容を目視で確認しながら手入力する場合、数字や文字の入力ミスが発生する可能性があります。
AI-OCRを利用すれば、FAXの内容を読み取ってデータ化できるため、手入力する項目を減らせます。
● FAXの内容を検索・集計しやすくなる
紙や画像として保存されているFAXは、後から必要な情報を探す際にも手間がかかります。
例えば、「以前届いた注文書を確認したい」「過去のFAXから特定の商品を探したい」といった場合、保存されているFAXを一枚ずつ確認しなければならないことがあります。
FAXの内容をAI-OCRでテキストデータ化しておけば、データとして管理しやすくなります。
■ FAXをAI-OCRでデータ化する具体的な流れ
AI-OCRを導入することで、FAXで届いた書類をデータとして活用しやすくなります。ここでは、一般的なFAXデータ化の流れを紹介します。
❶ FAXを画像・PDFデータとして取り込む
まずは、FAXで受信した書類を画像やPDFデータとして取り込みます。
近年では、複合機やFAXサービスの多くがデータ保存に対応しており、受信したFAXをそのままPDFとして保存できるケースもあります。
紙で受信したFAXの場合は、スキャナーで読み込んで画像やPDFデータ化してからAI-OCRへ取り込みます。
❷ AI-OCRでFAXの文字・項目を読み取る
取り込んだFAXデータをAI-OCRで読み取ります。
AI-OCRは、注文番号や商品名、数量、金額、住所など、帳票内の文字や項目を認識し、データとして抽出します。
また、製品によっては定型帳票だけでなく、レイアウトの異なる帳票や手書き文字に対応しているものもあります。
❸ 読み取り結果を確認・修正する
AI-OCRは高い認識精度を備えていますが、FAX特有のかすれやノイズ、画質の影響を受けることがあります。
そのため、読み取り後は認識結果を確認し、必要に応じて修正する運用が重要です。
「すべてを手入力する」のではなく、「AI-OCRが読み取った結果を確認する」という運用へ変えることで、業務負担を大きく軽減できます。
❹ CSVで出力する
読み取ったデータは、CSVで出力できます。
データとして扱えるようになることで、その後の集計や分析も行いやすくなります。
❺ 業務システムで活用する
データ化した情報は、販売管理システムや基幹システムなどへ取り込み、受発注業務や在庫管理などに活用できます。
AI-OCRは、単に文字を読み取るだけでなく、データを業務へ活用するための入り口として役立ちます。
■ FAXをAI-OCRでデータ化するときのポイント
AI-OCRを導入する際は、「文字を読み取れるか」だけでなく、自社のFAX業務に適した製品かどうかを確認することが大切です。
● FAX特有の画質でも読み取れるか
FAXは紙の書類を送受信するため、文字がかすれていたり、線が薄くなっていたりすることがあります。
また、古いFAX機器では解像度が低く、文字がつぶれてしまうケースも少なくありません。
そのため、FAX帳票の読み取り実績や認識精度を確認することが重要です。
● さまざまな帳票レイアウトに対応しているか
企業によって、FAXで届く帳票のレイアウトは異なります。
例えば、
- 取引先ごとにフォーマットが違う
- 手書き項目が含まれる
- 表形式になっている
など、さまざまなケースがあります。
複数の帳票に対応できるAI-OCRを選ぶことで、幅広い業務へ活用しやすくなります。
● データ出力やシステム連携に対応しているか
AI-OCRでデータ化した情報は、その後の業務で活用できてこそ価値があります。
CSVへの出力だけでなく、既存の業務システムやクラウドサービスと連携できるかどうかも確認しておきましょう。
業務フロー全体を考えて製品を選ぶことで、より大きな業務効率化につながります。
■ FAXをAI-OCRでデータ化する際の注意点
AI-OCRはFAX業務を効率化する有効な手段ですが、導入前に理解しておきたいポイントもあります。
● すべてのFAXを100%正確に読み取れるわけではない
AI-OCRは高精度な文字認識が可能ですが、どのようなFAXでも100%正確に読み取れるわけではありません。
特に、
- 文字が極端に薄い
- FAX画像が大きく傾いている
- 手書き文字が判読しにくい
- 原本自体が不鮮明
といった場合は、認識精度が低下することがあります。
そのため、読み取り結果を確認できる運用を整えておくことが重要です。
● 自社で扱う帳票との相性を確認する
AI-OCR製品によって、得意な帳票や対応範囲は異なります。
導入前には、自社で実際に利用しているFAX帳票で読み取りテストを行い、期待する精度が得られるか確認することをおすすめします。
■ FAXは「データ化した後」の活用も重要
FAX業務を効率化するうえで重要なのは、文字をデータ化することだけではありません。
データ化した情報を検索・管理・活用できる状態にすることで、FAXの価値をさらに高められます。
例えば、
- 過去の注文内容をすぐに検索する
- 担当者が必要な情報を素早く確認する
- 過去の帳票をナレッジとして活用する
といった運用が可能になります。
AI-OCRでデータ化した情報を適切に管理することで、紙の書類では難しかった情報活用を実現できます。
■ AIROならFAXのデータ化から文書活用まで実現
AIROは、AI-OCRによる高精度なデータ化に加え、読み取った文書をその後の業務へ活用できるAI-OCRサービスです。
FAXで受信した注文書や申込書、各種帳票をデータ化するだけでなく、蓄積した文書を検索したり、必要な情報をすぐに見つけたりすることもできます。
「FAXをデータ化して終わり」ではなく、業務で活用できる情報資産へ変えられる点がAIROの特長です。
FAX業務の効率化はもちろん、社内の文書管理や情報活用まで見据えている企業におすすめです。
■ まとめ
FAX業務では、書類の確認や手入力、転記作業に多くの時間がかかるだけでなく、入力ミスや確認漏れが発生することもあります。
AI-OCRを活用すれば、FAXで届いた書類をデータ化し、入力作業の負担軽減や業務効率化を実現できます。また、データ化した情報をCSVへ出力したり、業務システムと連携したりすることで、その後の業務にも活用できます。
さらに、データ化したFAXを検索・管理・活用できる仕組みを整えることで、紙やPDFのままでは難しかった情報活用も可能になります。
FAX業務の効率化を検討している企業は、「データ化」だけでなく、「データ化した後の活用」まで見据えてAI-OCRを選ぶことが重要です。