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AI-OCRで帳票をデータ化するには?仕組み・対応できる帳票・選び方を解説 

2026/7/29

はじめに

企業では、請求書や注文書、納品書、申込書、点検表など、日々さまざまな帳票を扱っています。

これらの帳票を紙やPDFのまま管理していると、必要な情報を活用するために、担当者が内容を確認しながらExcelや業務システムへ手入力しなければならないケースがあります。

しかし、帳票の入力や転記作業には多くの時間がかかるだけでなく、入力ミスや確認作業の負担、担当者への業務の属人化といった課題も発生します。

こうした帳票処理の効率化に活用されているのが「AI-OCR」です。

AI-OCRを活用すれば、紙やPDF、FAXなどの帳票から文字や数値を読み取り、必要な項目をデータ化できます。さらに、読み取ったデータをExcelやCSV、業務システムなどへ連携することで、帳票を起点とした入力・転記業務の効率化も可能です。

本記事では、AI-OCRによる帳票のデータ化について、帳票の種類や処理の流れ、導入時に確認すべきポイントまで詳しく解説します。

 

帳票とは?企業で扱われる主な種類

そもそも「帳票」とは、業務上の情報を記録・管理するために作成される書類を指します。

企業では、取引や業務の内容を記録するために、さまざまな帳票が使われています。従来は紙で作成・保管されるものが多くありましたが、現在ではPDFなどの電子データとして扱われる帳票も増えています。


企業でよく使われる帳票の例

代表的な帳票には、以下のようなものがあります。

  • 請求書
  • 注文書
  • 納品書
  • 見積書
  • 申込書
  • 各種申請書
  • 点検表・チェックシート
  • 作業報告書
  • 入出庫伝票
  • 検査記録

帳票の種類によって記載される内容やレイアウトは異なります。

例えば、請求書には発行元や請求金額、支払期限などが記載されます。一方、点検表では点検項目や測定値、点検結果などが記録されます。

このように、帳票にはそれぞれ異なる項目や形式があるため、単に帳票全体を文字データに変換するだけでは、業務でそのまま活用できないケースがあります。

 

帳票のデータ化にAI-OCRが活用される理由

帳票の情報をデータ化する方法として、これまでは担当者が内容を確認しながら手入力する方法が一般的でした。

しかし、帳票を扱う業務では、次のような課題が発生しやすくなります。

  • 帳票の枚数が多く、入力作業に時間がかかる
  • 帳票の内容を何度もシステムへ転記している
  • 帳票の種類によって入力項目が異なる
  • 取引先ごとにフォーマットが異なる
  • 手書きの帳票を扱っている
  • 入力ミスを防ぐための確認作業が必要になる

AI-OCRは、こうした帳票処理における「読み取り」や「データ入力」の負担を軽減するために活用できます。

OCRの流れ

AI-OCRについて詳しく知りたい方は、関連記事「AI-OCRとは?OCRとの違いから導入メリット、文書活用までわかりやすく解説」もご覧ください。


帳票処理では「読み取り」だけでなく「項目ごとのデータ化」が必要

帳票をデータ化する際に重要なのは、書類に書かれている文字を単純にテキスト化することだけではありません。

例えば、請求書に以下の情報が記載されているとします。

  • 会社名
  • 請求日
  • 請求番号
  • 商品名
  • 数量
  • 金額
  • 支払期限

これらの情報を単に文章として読み取るだけでは、業務システムへの登録や後続処理にそのまま利用できない場合があります。

実際の業務では、

項目 データ
会社名 株式会社〇〇
請求日 2026年7月1日
請求金額 100,000円
支払期限 2026年8月31日

 

といったように、帳票内の情報を項目ごとに整理してデータ化することが求められます。

AI-OCRでは、文字を認識するだけでなく、帳票のレイアウトや項目の位置などを解析し、必要な情報をデータとして取り出せる場合があります。

こうすることで、紙や画像の帳票を、後から検索・集計・入力・連携しやすいデータへ変換できます。


帳票ごとにレイアウトが異なるため、読み取りには対応力が必要

帳票のデータ化が難しい理由の一つが、帳票ごとにレイアウトが異なることです。

例えば、同じ請求書であっても、取引先によって以下のような違いがあります。

  • 項目の配置が異なる
  • 項目名が異なる
  • 表の構成が異なる
  • 明細の行数が異なる
  • 手書きと印字が混在している

あらかじめ決められた位置の文字だけを読み取る方法では、レイアウトが異なる帳票に対応することが難しい場合があります。

そのため、帳票をAI-OCRでデータ化する際には、帳票の種類やレイアウトの違いにどこまで対応できるかが重要なポイントになります。


AI-OCRは文字認識と帳票解析を組み合わせてデータ化する

AI-OCRによる帳票のデータ化では、一般的に次のような処理が行われます。

  1. 帳票の画像やPDFを読み込む
  2. 帳票全体のレイアウトを解析する
  3. 文字や数字を認識する
  4. 項目や表の構造を判別する
  5. 必要な情報をデータ化する

例えば、帳票上に「注文番号」「商品名」「数量」「納期」といった情報が記載されている場合、それぞれの項目を認識し、データとして整理します。

このように、AI-OCRによる帳票処理では、単なる文字認識だけでなく、帳票に含まれる情報を業務で扱いやすい形に変換することが重要です。

 

AI-OCRで帳票をデータ化する流れ

文書をアップロードするだけでOK

AI-OCRを使って帳票をデータ化する場合、一般的には以下のような流れで処理します。 

❶ 帳票をスキャン・アップロードする

まず、データ化したい帳票をAI-OCRに読み込ませます。

対象となるデータには、以下のようなものがあります。

  • 紙をスキャンした画像
  • PDFファイル
  • FAXで受信した画像
  • スマートフォンなどで撮影した画像

紙の帳票をスキャンする場合は、スキャナーなどを使って画像データに変換します。

すでにPDFや画像として保存されている帳票であれば、そのままアップロードできる場合もあります。


AI-OCRが帳票の内容を解析する

帳票を読み込ませると、AI-OCRが画像内の情報を解析します。

このとき、単純に文字を認識するだけではなく、帳票の構造や情報の位置なども確認します。

例えば、以下のような情報を解析します。

  • 文字や数字
  • 項目名
  • 記入欄
  • 表や明細
  • 行や列の構造
  • 手書き文字

帳票の内容を解析することで、どの情報がどの項目に該当するのかを判断し、データ化を進めます。


必要な項目をデータ化する

次に、帳票から必要な情報を取り出し、項目ごとにデータ化します。

例えば、帳票の種類ごとに以下のような情報を抽出します。

帳票 データ化する項目の例
請求書 発行元、請求日、請求金額、支払期限
注文書 注文番号、商品名、数量、納期
点検表 点検項目、測定値、結果、担当者
申込書 氏名、住所、連絡先、申込内容

 

このように、帳票全体を一つの文章として扱うのではなく、業務で必要となる項目単位でデータ化することで、後続の業務に利用しやすくなります。


❹ Excel・CSVや業務システムへ連携する

データ化した情報は、ExcelやCSVなどの形式で出力したり、業務システムへ連携したりできます。

例えば、以下のような活用が考えられます。

  • Excelで帳票データを管理する
  • CSVとして基幹システムへ取り込む
  • 業務システムへ登録する
  • RPAなどの後続処理に利用する
  • データを検索・集計する

これまで担当者が帳票を見ながら手入力していた業務を、AI-OCRによるデータ化で効率化できます。

ただし、帳票をAI-OCRで読み取るだけで業務が完了するわけではありません。

実際の導入では、どの項目をデータ化し、どのシステムや業務に連携するのかまでをあらかじめ整理しておくことが重要です。

 

AI-OCRでデータ化できる帳票の種類

AI-OCRは、さまざまな種類の帳票のデータ化に活用できます。

ただし、帳票によってレイアウトや記載内容、文字の種類などが異なるため、すべての帳票を同じ方法で処理できるとは限りません。

ここでは、AI-OCRの活用対象となる代表的な帳票を紹介します。


定型帳票

定型帳票とは、記載項目やレイアウトがある程度決まっている帳票です。

例えば、社内で使用する申請書や点検表などが挙げられます。

記入する項目や位置があらかじめ決められているため、AI-OCRで必要な項目を指定してデータ化しやすいのが特徴です。

定期的に同じ形式の帳票を大量に処理している場合は、AI-OCRによるデータ化の効果を得やすいでしょう。


非定型帳票

非定型帳票は、帳票ごとにレイアウトや項目の配置が異なる書類です。

例えば、取引先から受け取る請求書や注文書などは、企業によってフォーマットが異なる場合があります。

同じ「請求書」であっても、会社名や請求金額、明細などの位置が異なるため、固定された位置だけを読み取る方法では対応が難しいことがあります。

そのため、非定型帳票を扱う場合は、異なるレイアウトから必要な情報を認識・抽出できるかを確認することが重要です。


表形式の帳票

帳票の中には、複数の項目が表形式で記載されているものもあります。

例えば、注文書の明細や点検表、検査記録などです。

こうした帳票では、単純に文字を読み取るだけではなく、「どの文字がどの行・列に属しているのか」を正しく認識する必要があります。

そのため、表形式の帳票をデータ化する場合は、明細や行・列の構造をどの程度正確に認識できるかも確認しておきましょう。

 

AI-OCRで帳票をデータ化するメリット

帳票をAI-OCRでデータ化することで、単純な文字入力の削減だけでなく、帳票を扱う業務全体の効率化につながります。

帳票の入力・転記作業を削減できる

帳票を見ながらExcelや業務システムへ情報を入力する場合、帳票の枚数が増えるほど担当者の作業時間も増えていきます。

AI-OCRを利用すれば、帳票に記載された情報を読み取り、必要な項目をデータ化できます。

その結果、担当者が一つひとつの項目を手入力する作業を減らすことができ、同じような帳票を大量に処理する業務では、入力・転記作業の削減効果が期待できます。


帳票の内容をデータとして検索・管理できる

AI-OCRによって帳票の情報をデータ化しておけば、キーワードや項目などを使って情報を検索しやすくなります。

例えば、「顧客名」「注文番号」「設備名」などを条件にして、必要な帳票を探すといった活用が可能です。

紙の帳票を単に電子化するだけでなく、後から情報を探しやすい状態にすることも、AI-OCRによる帳票データ化のメリットです。


帳票処理の属人化を防ぎやすい

AI-OCRを活用して帳票から必要な項目を一定のルールでデータ化することで、担当者の経験やスキルに依存しにくい業務フローを構築できます。

また、入力作業そのものを減らすことで、担当者はデータの確認や例外処理など、より重要な業務に時間を使いやすくなります。


紙帳票を後続システムで利用できる

AI-OCRでデータ化し、ExcelやCSVなどの形式で出力できれば、他のシステムやツールで利用しやすくなります。

例えば、

紙の帳票 → AI-OCR → データ化 → Excel・CSV → 業務システム

という流れを構築することで、帳票の受け取りからデータ登録までの業務を効率化できます。

 

帳票のAI-OCRでよくある課題

AI-OCRを導入すれば、すべての帳票を完全に自動処理できるとは限りません。

帳票の種類や状態によっては、読み取りにくいケースもあるため、導入前に実際の業務を想定して検証することが大切です。

帳票のレイアウトがバラバラ

取引先から受け取る請求書や注文書などは、企業ごとにレイアウトが異なる場合があります。

帳票によって項目の位置や名称、表の構造が違う場合、固定された読み取り位置だけでは対応できないことがあります。

そのため、複数の帳票フォーマットを扱う場合は、レイアウトが異なる帳票にも対応できるかを確認しましょう。


手書き文字やかすれた文字がある

手書き文字や、印刷が薄い・かすれている文字などは、読み取り精度に影響する可能性があります。

また、帳票をスキャンした際の傾きや画像の解像度、汚れなども認識結果に影響する場合があります。

そのため、導入前にはきれいなサンプルだけでなく、実際の業務で発生している帳票を使って検証することが重要です。


表や明細の読み取りが難しい

表形式の帳票では、文字そのものを認識するだけでなく、行や列の関係性を正しく把握する必要があります。

例えば、商品名・数量・単価・金額などが複数行にわたって記載されている注文書では、それぞれの情報を正しい行に紐付けてデータ化しなければなりません。

そのため、表や明細を多く含む帳票を扱う場合は、文字認識だけでなく帳票構造の認識に対応しているかを確認しましょう。

 

AI-OCRで帳票をデータ化するならAIRO

AIROは、紙やPDFなどの帳票をAI-OCRで読み取り、業務で活用しやすいデータへ変換できるAI-OCRサービスです。

請求書や注文書などの帳票だけでなく、さまざまな文書のデータ化に対応し、帳票処理における入力・転記作業の効率化を支援します。


さまざまな帳票をAI-OCRでデータ化

手書き・非定型文書に対応

AIROでは、帳票に記載された文字や情報をAI-OCRで読み取り、必要な情報をデータ化できます。

紙の帳票をスキャンした画像やPDFなど、これまで人が内容を確認しながら入力していた帳票をデータとして扱えるようにすることで、入力・転記業務の負担軽減につなげられます。


帳票データを検索・活用できる

AI機能で文書検索

帳票をデータ化するメリットは、入力作業を削減することだけではありません。

AI-OCRによってデータ化した文書を蓄積することで、必要な情報を後から検索・活用しやすくなります。

例えば、過去の帳票から特定の顧客や商品、案件に関する情報を探すといった活用も可能です。

帳票を「保管するだけの書類」から、検索・活用できるデータへ変えていくことで、文書管理の効率化にもつながります。

 

AI-OCRによる帳票のデータ化に関するよくある質問

AI-OCRでどのような帳票を読み取れますか?

AI-OCRでは、請求書、注文書、納品書、申込書、点検表、作業報告書など、さまざまな帳票をデータ化できます。

ただし、対応できる帳票や読み取り精度は製品によって異なります。

特に、手書き文字や複雑な表、取引先ごとにレイアウトが異なる非定型帳票を扱う場合は、実際の帳票を使って事前に確認することが重要です。


紙の帳票をExcelやCSVに変換できますか?

AI-OCRで紙の帳票を読み取り、必要な項目をデータ化したうえで、ExcelやCSVなどの形式で出力できる製品があります。

ただし、出力できる形式や項目の設定方法は製品によって異なるため、現在利用している業務システムや管理方法に合わせて確認しましょう。


手書きの帳票もデータ化できますか?

手書き文字に対応したAI-OCRであれば、手書きの点検表や作業報告書などをデータ化できる場合があります。

ただし、文字の状態や帳票の品質によって認識精度が変わる可能性があるため、導入前に実際の帳票で検証することをおすすめします。


AI-OCRで帳票を読み取った後、業務システムと連携できますか?

AI-OCR製品によっては、読み取ったデータをExcelやCSVなどで出力したり、APIなどを利用して外部システムと連携したりできます。

帳票処理を効率化する場合は、AI-OCRで読み取るところだけでなく、データ化した後にどのような業務へつなげるのかまで考えて製品を選ぶことが重要です。

 

まとめ|AI-OCRで帳票処理を効率化し、入力・転記業務を削減

AI-OCRを活用すれば、紙・PDF・画像などの帳票を読み取り、必要な情報をデータ化できます。

ただし、帳票には定型・非定型、印字・手書き、表形式などさまざまな種類があるため、AI-OCRを選ぶ際には、自社で扱う帳票を実際に読み取れるかを確認することが重要です。

また、単に帳票を読み取るだけでなく、

帳票の受け取り → AI-OCRによるデータ化 → 確認・修正 → Excel・CSV出力 → 業務システムへの連携

という一連の業務フローまで考えることで、より大きな業務効率化につなげられます。

AI-OCRによる帳票のデータ化を検討する際は、まず自社で扱っている帳票の種類や処理枚数、入力作業にかかっている時間などを整理し、実際の帳票を使って効果を検証してみるとよいでしょう。